読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

文字ブログ

文字(書体、フォント、タイポグラフィ、活字、活版印刷)についてど素人が学習した結果をまとめるブログです。デザイン初学者(本業ITエンジニア)なので、誤り、偏見、言い過ぎ等多々あるかと思いますが、 よろしければコメントにてご指摘いただけると幸いです。

『The Helvetica Book』(大谷 秀映著)まとめとヘルベチカ入門

f:id:norihiko-saito-1219:20160717171849j:plain

ヘルベチカとは

この本は「ヘルベチカ」についてあらゆる角度から書かれた本であり、ヘルベチカとは世界でもっとも有名な書体です。 そして実家の活版印刷所が(おそらく)日本で初めてドイツから活字を輸入した書体でもあります。
商品のパッケージ、各種交通機関の案内標識、生きていると目にしない日はない、と言えるくらいありとあらゆる場面で使われ、さらにBMWNTTデータパナソニックなど大手企業のコーポレート・タイプとしてもガンガン使われているのも有名です。
(個人的に意外だったことにiOS8までのデフォルトフォントでもあります)

f:id:norihiko-saito-1219:20160717172015j:plain

さてこの本、鮮烈なオレンジのカバー、コンパクトな長方形のフォルム、「ヘルベチカ」の響き

「かっけー!」

ヴィレヴァンあたりで手にとったボーイズ&ガールズはChapter 00のグラビアページで読むのをやめてしまったのではないか、と思わずそんな余計な心配にかられる本でした。

内容

というのもChapter 01からはガチ・ガチガチ・超ガチな記述が続くからです。
以下、当書のIndexをあげます。

  • Chapter00 ヘルベチカのタイポグラフィ、イメージ写真
  • Chapter01 ヘルベチカストーリー、活字見本
  • Chapter02 サンセリフの歴史と種類、ヘルベチカのライバル書体
  • Chapter03 タイプフェイス用語解説、ライバル書体との比較
  • Chapter04 デザイナーズTips、ヘルベチカのオススメ書籍紹介

なぜガチなのかといえば、とにかくこんなコンパクトで薄い本に関わらず記述の細かさ、情報量が圧倒的だから!

たとえばヘルベチカストーリーでは前身のノイエ・ハース・グロテスク〜ヘルベチカ〜ノイエ・ヘルベチカ〜ライノタイプのデジタルフォントまでの歴史と網羅的な見本帳(!)が差し込まれ、ヘルベチカとノイエ・ヘルベチカの違いがまとめられています。
またタイプフェイス用語解説では、ストロークやステム、エックス・ハイトといった基本用語に加えボウル、イアー、スパーなど聞いたこともないような専門用語がこれでもかと(正直かの『欧文書体』シリーズよりも細かい…)。
そしてライバル書体との比較ではヘルベチカ・アクチデンツグロテスク・ユニバースという3種類の類似フォントの比較を全アルファベット(大小文字)および全数字でするという丁寧さ!
(「いくらみても大文字のDとXの違いがわからね〜」)

誰向きの本か

おしゃれで取っつきやすい外観とは裏腹に初心者ではなく、実は中級者以降(もしくはプロ向き)なのではないか、と思います。文字を仕事にするならばインデックスとして手元に置いておくと便利な一冊と感じました。
ヘルベチカっておしゃれ! 書体をお手軽に知りたい! ってなんとなーく買う人はいずれ紹介する『欧文書体』を買ったほうがよいと思います(もちろんグラビアページは美しくそれだけで読む価値は十分にありますが)。

まとめ

なぜこれほどまでにヘルベチカが有名になり世界を席巻したか?

ど素人としてざくっと直感と印象で言えば

ヘルベチカが近代と現代、有機と無機、アナログとデジタル、暖かさと冷たさの絶妙な中間点にある書体だからと思います。

だからありとあらゆるシーンで利用される、使いやすい。悪く言えばどっちつかず、中途半端(正直個人的にはそれほど好きな書体ではありません)。

といろいろ語ってきましたが、ヘルベチカは文字を学ぶひとにとっても個人的にもとても大切な書体なので、今後も折に触れて書いていこうと思います。家には『ヘルベチカ ~世界を魅了する書』のDVDもあるので、こちらの感想もいずれレポートしたいと思います。